階数別分布とその保存状態については、昭和初期までのものも含めると、平屋建、ツシ2階建、本2階建に分けられます。平家建は主として裏長屋等に見られますが、数はごく限られ、全体の1割にも達しません。建築年代は幕末か明治期のもので占められています。
ツシ2階建には、上階すべてをツシ(物置)とするものと、表側のみをツシとし、背後にザシキ等の居室を設けるものとに別れますが、いずれも表側からは2階に居室があるようには見えないので、外観からの両者の区別はつけにくくなっています。これらは年代的に江戸期から大正期に及び、町の景観に大きな役割を果たしています。
本2階建は2階を全て居室としたもので、そのうち外壁を塗籠とするものに限れば(現在モルタル仕上に改造されているものも含む)、年代は大正期以後で、昭和初期に建てられたものが大半を占めます。特に昭和初期に道幅が拡幅された産業道路沿いではこの形式が景観構成の主体となっています。
これらは前述の本瓦葺の分布と重なり、特に中之町通りには形式保存の良好なものが集まっています。また、これらの分布を現在の地図と重ね合わせてみると、池田の商業の核となっている栄本町・栄町でも栄本町には改造されたものが多いとはいえ、ツシ2階建が今なお現存しています。
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明治期の旧家
昭和初期の家屋
栄本町の家屋
栄本町の旧家
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