他のスポーツに比べてウォーキングは、お金をかけず、気軽に行なえるエクササイズ(運動)として最適です。年齢・性別を問わず、場所も問いません。また、複数でいろいろなものを見ながら会話を楽しみ、心身両面を満たしてくれるというのも、ウォーキングのよいところでもあります。
欧米、特に米国ではウォーキングに対する理解が深く、「五千万人」もの愛好家がいると言われています。医学的にも、ウォーキングをする事で男女年齢を問わず、健康を保つことに深く関係していることが解ってきています。中でも女性には、特別な効用があるそうです。人間の骨格は男女共に、25歳位でその量が最大となり、以後20〜25年間、体重を支える役割が最も効率的に機能します。しかし、女性は45〜50歳を過ぎる頃から少しずつ「関節」や「脊椎」に変化が起こり始めて、総骨格量の0.5%を毎年失っていくことになるそうです。ちなみに男性の場合は、50歳でも0.5%以下の減少率で、65歳から70歳頃まで始まらない人も多いのだそうです。
そういった理由から、高齢者の中で女性は「骨折の危険性」も高くなっていきます。また、最近よく耳にする「骨粗 シ ョ ウ症」ですが、これはもともと50歳以上の白人女性を蝕む骨の病気でしたが、日本でも骨粗 シ ョ ウ症の疑いのある人が急激に増えています。これにかかると、前述の総骨格量の0.5%を失っていくどころか、1%ずつ失われていくことが解っています。原因は、食事にも起因するそうですが、適度な運動をしない事で、筋肉が使われないと骨格組織の脱鉱物化に拍車がかかるという多くの実例が上げられています。
ウォーキングをすることで、骨格内の細胞代謝を活発にし、骨が折れにくい状態を保つことができるようになります。また、様々な心理的・肉体的効用が得られます。以下簡単にいくつか上げてみましょう。
<身体的効用>
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姿勢をよくする
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身体の末端まで血液の循環をよくする
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心肺機能を高める
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関節の柔軟性を高める
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医療上の問題を持つ患者に米国では、多数の医師が処方として採用
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ダイエットにも有効的(体重の減量と維持)
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血圧を下げる
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骨の脱鉱物化が防止できる
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消化と排泄の助けになる
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動脈にたまった脂肪を取り除く助けになる
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身体の衰えが原因の病気にかかりにくくなる
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<心理的効用>
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緊張を和らげる
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無気力な状態を改善する
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気晴らしになる
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想像力を刺激する
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ウォーキングは、キチンとしたプログラムを組んで継続的に行なえば、効果は飛躍的に伸びますが、そこまで専門的でなくても、歩くということの大体の基礎を知って「なるべく歩く」というのを心掛ける事が重要なのだと思います。
そんなこんなで、お休みの日にはピクニックがてら「五月山に登る」というのもいいのではないでしょうか。コースも1500m〜400mまでいろいろ有りますし、山の高さも300m前後と大変手頃です。展望台からの見晴らしは、遠く大阪湾までも望めます。また、五月山は、植林された針葉樹林ではなく、広葉樹の多い雑木樹林ですので、動物達も多く寄る豊かな山です。五月山は登山者を飽きさせません。カメラ片手に撮影登山もヨシ、お弁当持参でピクニックにもヨシです。楽しく歩くにはうってつけの五月山です。
<水と緑の健康都市>
少し話が脱線しますが、五月山の奥郷にあたる箕面市止々呂美地区に、大阪府と箕面市の合同で「水と緑の健康都市」という宅地化の計画が持ち上がっています。これは、大阪府下14事業のひとつで、全体で4兆770億の予算を投入の予定です。また、第二名神高速道路の着工も計画されていて、これも完成すれば付近の環境は大きく様変わりすることでしょう。
五月山は緑地帯の半島のようなカタチになっています。現在はその自然が寸断されることなく連続しているので、五月山も豊かな自然を保っていすが、今度の計画はその半島の根元にあたる部分が開発対象で、環境に与える影響がどれほどのものになるのか、大変危惧しています。
個人的な考えですが、リサイクルや環境保全といっていろんな活動がなされていますが、それによる環境の復元というのはほんとうの所、どれほどの効果があがっているのだろうかと考えたりします。しかし、大切なことです。一方で、無計画な大規模開発で失うモノも莫大な量だと思います。大阪市内の住宅事情を見ても宅地の再開発が必要だったり可能な場所が少なくない状況です。が、それらの整理統合はせず、今となっては貴重な環境を崩して「水と緑の健康都市」を建設するのは本当に健全な考え方なのだろうかと疑問を持ち続けています。また、反対ばかりでもいけませんが、それにしても疑問は多い気がします。
欧米の趨勢では新たな水源確保の為にダム建設はしないと、開発の基本的な方針を立てています。(大型プロジェクトで環境に負荷を与えず、抑制(総量のコントロールも含め)または別の方法を採っています。)各国とも土木開発に関しては、自然環境に配慮したシビアな計画を立てていますが、財政支出に対して土木事業の比率の大きい日本は、大変「アマイ」計画性です。こんな状況でいくら絶滅危惧種を保護しても意味がありません。なぜ絶滅するのか、身を以て教えてくれている動物達の叫びをもっと真剣に受け止めなければなんの解決にもなりません。
この問題だけではなく、日本は本当に民主主義なのか根本が問われる出来事が多発しています。今、私達は少しだけでも、そういう事ついて考えなければいけないのではないでしょうか?
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※2008年の現在、結局上記の計画は遂げられず、収束してしまいました。動機の不純なものは、成就するはずがありません。多額の投資は、環境破壊という結果を残し、その姿を曝しています。本当の市民社会の意味を考えなければいけない失敗例です。
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