摂津豊嶋郡刀根山
The toneyama
現在、大阪府豊中市刀根山という地名が残っています。ここは小高い小さな山というか丘のようになっています。写真では小高くなっているところが刀根山です。現在はびっしり宅地化されていて山や丘といった感じは、昔に比べて薄れているようです。また、大阪国際空港(伊丹空港)がすぐ近くなので、太平洋戦争後米軍に接収され、その関係でこの刀根山一帯は士官の宿舎となっていました。
そして中世の頃は、ここに能勢街道(明治まで使われていた)が通り、また、刀根山御坊という大寺院もあって周辺では知られた要衝でした。勝正も大坂方面へ落ちる時ここを通ったようです。
ここは眺望が利く事から1578年(天正6)に荒木村重が謀反を起した時、あの織田信長とその部隊が刀根山に陣取って村重に備えた所でもあります。
ここにあった御坊ですが、1363年(北朝元号貞治2年)に本願寺第三世覚如法主の嫡男存覚上人が創立したと寺伝にあります。当時の本堂大屋根には菊の御紋章があり、また、下馬札も掲げられて高い身分の者と言えども素通りができなかったと言われます。現在もその当時(?)の桁行き九間、梁行九間半の大きな建物に使われていたらしい大甍があります。
現在はその場所に常楽寺がありここは、刀根山城の主郭(本丸)と言われるところです。境内には江戸時代麻田藩に仕えながら、貧しい人々にも慈悲を以て施療に尽した「東庵」の石碑があります。近年までその遺徳が称えられ、例祭が行なわれていました。晴れた日には、夕景の大変きれいな所です。
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