藤原(池田)景正法篋印塔
The remains of Kagemasa Hujiwara(Ikeda)
この法篋印塔は釈迦院にあり、国指定の重要美術品です。鎌倉時代の優れた石造美術品として評価されています。塔には1299年(正安元)12月25日 願主藤原景正と文字が刻まれています。この藤原景正は神田の常福寺にも層塔と思われる基礎の石が残っています。この釈迦院の塔は、一般に藤原景正の墓であると言われていたようですが、景正が誰かの為に建てた墓ではないかとも言われています。その根拠はこの塔が建てられた当時の習慣として、生前に自分の墓を建てておくことはなかったからです。いずれにしてもはっきりしたことはわかっていません。研究課題のひとつになっています。
それからこの藤原景正という人物は最近の研究で、藤原=摂津池田氏であることがかなり現実味を帯びてきたようです。文献での照合ではぴたりと一致する箇所が多く、ほぼ間違いはないだろうとのことです。
また、池田氏についての家系図が数種類現存していますが、それらに景正という人物が記入されているものも多く、この分野へも何か影響を及ぼしそうです。
元来、家系図というのは脚色されていることが多く、残っていても疑いを以て見られますが、それが実際に残っているものとピタリと合って来るとそうも言えなくなってきます。それにしてもひとつのものからわかってくる事が色んな事に影響を及ぼすのは興味深いです。景正という人物、どんな人だったのでしょう?
|