見出し:池田城関係の図録
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写真:五月山遠望五月山遠望
A distant View of the Satsuki Mt.

 万葉の詩にも詠まれた五月山は、遠い昔には佐伯山と言われたり、池田山または愛宕山と様々な呼ばれ方をしたようです。現在は五月山と呼ばれて親しまれていますが、この山は南北に細長い池田市域に割り込むようような格好で、市域を二分しています。また、五月山は単独で独立した山ではなく、北摂山系(連山)の一部です。五月山のある池田市から南に向かって次第に平地となっていきます。逆に言えば、連山の終端部分にあたります。ちなみに、五月山の手前に流れている川は猪名川です。

 北摂の山々からは鉱物が良く採れ、特に銅の系統が採掘できるようです。五月山の近くに有名な多田銅・銀山がありますが、この鉱山開発は早くから始められていたようで、あの奈良の大仏を鋳造するのにここの銅が使われたとか使われないとか聞きます。また、豊臣秀吉もこの鉱山には関心を寄せ、徳川の時代になっても採掘され続けました。
 それから、池田城内の礎石等には、この五月山の石を利用したものもあって五月山は長い間、人間社会に利用価値の高い山だったようです。
 利用価値が高かったのは人間ばかりではなく、動物達にとっても住みやすいところだったようで、落語の「池田の猪買い」にも登場するくらい人里と山の距離が近いところでもありますし、現在でもシカやタヌキなどの動物が沢山生息している豊かな山でもあります。

 これからも、変わらず私達にとって和ませてくれる平和的に利用価値の高い山で有り続けて欲しいものですね。また、五月山は高度300メートル程の低い山で気軽にハイキングや山歩きも楽しむ事ができます。

マップはB-2


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